ARBITRO MAGAZINE

Rolexムーブメントのオーバーホール

 

Rolexムーブメントのオーバーホールとローター芯交換の様子。

なかなか開けることは無いと思いますが、裏蓋を専用のオープナーで開けるとこのようなムーブメントが入っています。

このムーブメントはCal.3130で2000年〜現在まで製造されている、今のところ最高のムーブメントと言って良い機械。

オーバーホールが必要っていう話はよく聞くと思いますが、実際にどうのような状態になっていたらオーバーホールが必要な状態か?というのはなかなか分からないものですよね。

それが分かりやすい状態がこちらの写真。

1、2枚目の写真はオーバーホール前の状態です。各パーツに汚れが付いていますよね。

使い続けていくうちに、このような汚れがだんだんと部品に付いていき、最終的には故障の原因となります。

原因としては摩擦を抑えるために使われている潤滑油が段々と揮発していき、それが内部のホコリなどによって汚れとなり、写真のような状態に変化していくことが考えられます。

あとは裏蓋やリューズに使われているパッキン(ゴムのパーツ)が年数が経つにつれて劣化していき、段々と隙間ができていき、そこからホコリや水などが少しずつ入っていってしまう、というようなことも考えられますね。

オーバーホールをする意味として

・全て分解することでパーツひとつひとつの状態を確かめ、悪いものは部品を交換してムーブメント(機械)を最善の状態に戻す。

・そしてパッキン(状態によっては風防)などを交換し、防水・防塵性をできる限り販売当時のスペック通りに戻して、故障の原因となるものを取り除く。

これを怠ると機械の調子が悪くなり時計としての機能が果たせなくなってしまう、ということになります。

ですので3〜4年に一度はオーバーホールをしましょうと進めているのには、こんな意味が隠されているんですね。

オーバーホールをするとどれぐらいキレイになるのかというと。。

オーバーホール(完全に分解して洗浄・注油・組み立て等を行う修理をすること)このようなキレイな状態に。

これが正常な状態なんです。

また石(ルビー)の部分も見比べて見るとビフォーアフターで全然違います。

この写真が分かりやすいですね。注油をするとルビーに水が溜まったように見える、この状態が摩耗を抑えてパーツの寿命を長くしてくれるんです。


次にローター芯の交換作業を見ていきましょう。

ローター芯というのは、ローター(錘)の中心部にあるローターを支える部品のこと。

こういうやつですね。どこの部品かというと。。

先ほどの写真で確かめてみましょう。

ムーブメントの真ん中にある、ローターと呼ばれる錘(おもり)を支えてるものですね。

先ほどの真ん中のパーツを裏返すと、こんな感じ。

左が正常な部品で右が折れた状態です。

この部分が折れたりしていると、ローターが回る際に他の部分に擦れてシャーシャーとなったり、カタカタと音がしたりします。

この場合はローター芯の交換が必要になってくるんです。

このローター芯を部品交換するとなると、なかなかの金額がしますのでオーバーホール代と合わせてそれなりの金額を見込んでおかなければいけません。

このローター(錘)はロレックスの自動巻きにおける最も重要な部分なので、これが正常に動いてくれないとどうしようも無いんです。

せっかくなので違う部品も見てみましょう。ロレックスのムーブメントと言えばこの赤い部品ですよね。

これはリバーサーと呼ばれる部品。リバーサーとは何ぞや?と思いますよね。

少し専門的な話になりますよ〜。自動巻きは錘を使って巻上げを行いますが、歯車だけで両方向の切り替えを行う、切り替え伝え車式=リバーサー式の両方向自動巻きのこと。

〇〇車ってついてますが、これは部品のことを指してます。時計の部品には「なんとか車」という名前が付いてるんです。

話を戻すと、両方向自動巻きというのは錘が一方向に動く時に巻き上がるだけでは無くて、反対方向に錘が動いてもこのリバーサーのおかげで巻上げが可能なこと。

赤い色の理由は、表面の硬度を高めるためにアルマイト処理をし、劣化具合(損傷度合)がひと目見て分かるように赤く着色されているからなんです。

分かりやすく言うと「表面を硬くして、かつ交換時期を修理職人がパッと見て判断できるようにするため」ですね。

そしてCal3100系から変更された点なんですが、テンプを支える部品が両方向(左右)から支える「ツインブリッジ」になったこと。

上の写真を見てみると、右下にあるテンプと呼ばれる金色の輪っかの上に、鳥が翼を広げたようになっている部品があるのが分かるでしょうか?

テンプの中心の上部分に、キフショックと呼ばれるテンプへの衝撃をやわらげる耐震装置があります。

これはテンプを常に水平に保つ+衝撃から守る役目があり、それを左右の板でしっかりと支えている、という構造です。

このツインブリッジに変更されたことで、元から精度や丈夫さが良かったロレックスムーブメントがさらに安定性が増してメンテナンスもしやすくなるという、現時点では最高のムーブメントになりました。


少し専門的な話になりましたが、ロレックスの良いところは交換部品の供給量の多さと、修理をすればずっと使える点。

また各パーツの工作精度が高いので腕の良い職人さんが修理をすればかなりの精度が出て、なおかつ壊れにくいのが魅力ですね。

ロレックスというと値段や資産価値などの話がすぐに出てきてしまいがちですが、モノとして見てもやっぱり良いということが少しでも伝わると嬉しいです。

普通に使う上で裏蓋を開けてムーブメントを見ることは無いですよね。

なんとなくでもムーブメントについて知ることで、もっと愛着を持って長く使えるものになればと思います。

修理(オーバーホール)のご相談も受けていますので、何かお困りのことがありましたらアルビトロまでどうぞ〜。

 
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