ARBITRO MAGAZINE

Cartier Tank Basculante… Polish Before / After

 

カルティエ タンクやバスキュラント、サントス ガルベ・サントスオクタゴンなど機械式(自動巻き・手巻き)、クォーツなど色々なカルティエの時計修理をご依頼頂いてます。

今回はご紹介の承諾を頂いたので Cartier Tank Basculante カルティエ タンク バスキュラントのポリッシュ(新品仕上げの修理前と修理後)の違いを見ていきます。

ちなみにカルティエ バスキュラントはこんなモデルです。

タンクの中でも非常に珍しい、ケースが回転し裏返しにすることが出来るバスキュラント(Basculante)。

ここで少しカルティエ タンク バスキュラントのことを見てみましょう。


「〜を回転させる」という意味のbascularという動詞が分詞系になったのがbasculant、その女性系でbasculanteとなっていると思われます。

ケースが回転する時計と言うと思い浮かべるのがジャガールクルトのレベルソという時計ですね。

このタンク バスキュラントはレベルソが発売された1年後の1932年に初めて販売された時計です。

ケースが回転する機構は元々、『Spécialités Horlogères SA』という会社の技術者(デザイナー)が生み出したもの。

この会社は後にジャガールクルトの一部となること、ジャガールクルトとカルティエの間には深い協業関係があったことから、この2つの時計は何かしらの関連があると思われます。

両者が違うのは、レベルソは横回転、タンク バスキュラントは縦回転するという点です。

レベルソはポロというスポーツをする際に時計を守るために回転機構が備わったという誕生の裏側がありますが、タンク バスキュラントについては明らかにされていません。

ですが、当時の時計は風防が傷付きやすい、割れやすかったためにその心配が無い時計が求められていたということは間違いないと思います。

一番内側に文字盤を含む時計部分のケース、さらに外側には石が付いた回転機構のケース、最も外側に時計全体のケースという三層構造になっています。


それでは磨き前の状態はどれぐらいキズが付いているのか見てみましょう。

・Before… 磨き前の状態はこちら。

この遠さだとケースの状態が分かりにくいので、もう少し寄って見てみると…

マクロで寄って見てみるとケースの1番端の部分に小キズが多数確認できますね。もう1段内側のケースもキズが有り。

普通に使っていたらしょうがないんですが、ドレス系の時計はどうしても気になってしまうもの。

もう少し違う角度で磨き前の状態をチェックしましょう。

肉眼でパッと見ただけではこんな感じには見えないんですがカメラで撮影してじっくりと見ると小キズが分かります。

もっとアップで。これは分かりやすいと思います。

続いて裏面もどうぞ。

サテン仕上げの裏面はもっと小キズが入っているのが分かりやすいですね。

手首に当たる面の裏蓋。普段人には見えないんですが、気になりますよね。

この状態がどれぐらい磨きで変わるかというと…


・After… 新品仕上げ後の状態はこちら。

下に磨き前の状態の写真をもう一度上げておきます。いろいろな部分に小キズやスレなどが目立っていたのがキレイになっているのが分かります。

磨き前の状態では縦に筋が入った仕上げ(サテン仕上げ)の部分に長いキズがあったり、ケースの端にあたる部分には小キズが多く付いているのが分かります。

これが磨いた後にどうなるかというと…

右上の部分を見て頂くと分かるように、キズが消えているのが分かりますよね。しかもサテン仕上げはきっちりと入っています。

仕上げの違いは一番端のケースのところとその内側にある部分を見比べると分かりやすいですね。

ケースの部分の小キズも無くなっています。アップで撮影した写真でこれだけキレイですので、実際に肉眼で見たらかなりきれいな状態なんです。

もっとアップで見てみると

仕上げの違いがきっちりと出ていて新品のような状態ですね。

あれだけあった小キズがきれいに無くなって鏡のような感じに。

さらに寄ってみましょう。

写真で表現するのが難しいですが磨き前と比べると雲泥の差です。

次に裏面も確認してみましょう。まずはもう一度磨き前の状態をチェック。

線キズのような長めのキズが多数入っていますね。

では、これがどうなったかというと…

こんな感じにキズは取れて、かつサテン仕上げも入っているキレイな状態に。

もっと近づいてみるとよく分かります。Cartierのロゴがオシャレです。

このロゴなどの刻印が入っていると磨きの難易度は上がりますが、さすがAiry’sさん、仕上げもばっちりです。

あれだけあった小キズがどこに行ったの?というぐらい無くなってます。

やっぱり磨きがすごい職人さんが仕上げるとクオリティが違います。


今回はwebのお問い合わせからカルティエ タンク バスキュラントのオーバーホールと併せて磨き(新品仕上げ)もご依頼頂きました。

ご依頼の際にフレデリック・ピゲの手巻きムーブメントが入っていますがオーバーホールは可能か?という点について、磨きに関しては長年の使用によるキズ、とくに手首に当たる裏面の磨きができるかどうか?をお問い合わせ頂いたのですがしっかりとオーバーホールをして、さらに磨きでこんなにキレイになりました。

作業が完了した時計がお客様のもとに届いた際にこんな嬉しいお言葉を頂きました。

「お世話になっております。時計、無事に受け取りました。

鏡面とヘアラインのある複雑な時計ですが、
非常に綺麗に研磨されており、メリハリが戻りました。この度はありがとうございました。」

こちらこそ、ご依頼頂いてありがとうございます!

喜んで頂けたようで何よりです。

ドレス時計はやっぱりキズが無いきれいな状態の方が気持ち良いですよね。

そんな時は磨き作業だけでもご依頼を承ってますのでお気軽にご相談下さいね。

また磨きだけでなく、オーバーホールは2-3年に一度の間隔でするのがおすすめです。

ムーブメントを良い状態で維持することができるので、結局はランニングコストが抑えられるのと長く良い状態で使うことができるから。

機械式の時計は車と一緒で定期的なメンテナンスが必ず必要です。人といっしょで、どこか調子が悪いところがあっても無理にそのまま使い続けるとガタがきてしまうんです。

長く大切に使い続けるためにも「この時計全然オーバーホールをしてないな〜」という方は早めに一度オーバーホールに出してみて下さいね。

あ、その時はアルビトロにお願いしますね(笑)

 
IWC Ingenieur インヂュニア 取扱説明書
Leather Shoes Craftsman Anchor Bridge

MENU

Back

Share to